【プロが語る!】注文住宅と建売住宅|それぞれのメリットとデメリット

本記事は、こんな方にオススメです

  • 注文住宅と建売住宅で迷っている方
  • 注文住宅のメリット・デメリットを知りたい方
  • 建売住宅のメリット・デメリットを知りたい方
  • 家づくりで後悔したくない方

所有地のない方が新築一戸建て住宅を購入するには、購入もしくは借地した土地に注文住宅を建てる方法と、土地付きの建売住宅を購入する方法があります。

私は某住宅メーカーで建売住宅の企画販売も手がけていましたが、この「新築」か「建売」かで悩む方は非常に多いです。もちろん、今この記事をお読みいただいているあなたもそうなのでしょう。

本記事を読めば、あなたのお悩みはスッキリ解決! もしくは判断基準ができた状態になるはずです。

5分で読めます。最後までお付き合いいただければ幸いです。

目次

注文住宅を選ぶべき方

注文住宅を選ぶべき方

  • せっかくなら、細かいところにまでこだわりたいという方
  • 損得よりこだわりを実現できるかが重要だという方
  • 家相や風水を重視したい方

要するに「こだわりの強い方」です。以下、もう少し深堀りします。

注文住宅のメリット・デメリット

注文住宅のメリット

  • 間取りや設備、外観に至るまで施主のこだわりを実現できる
  • 屋根や外壁など、アフターメンテナンスのことも考慮しながら素材選びが可能
  • 建築業者を選べる

注文住宅のデメリット

  • 手間がかかる
  • お金がかかる
  • 時間がかかる
  • 図面だけで現物を想像するのが難しい(空間構成など)

注文住宅のメリットは、なんといっても全てが自由だということです。土地の大きさや形状、法規制など様々な条件の下で、という但し書きはつきますが、家相や風水といった考え方を重視して採用したいという方にはうってつけでしょう。

ですから、自分で住むなら絶対にこういう家が良い!というイメージが具体的な方は、注文住宅の方が満足度は高まるはず。建築士と一緒に、ここはどうする?こんな設備を取り入れたい、そんな打ち合わせを重ねながら、徐々にご自身の家ができあがっていく過程は幸せそのものでしょう。

屋根や外壁など、いずれ大きなメンテナンス費用が必要となる箇所についても、建築士のアドバイスを受けながらメンテナンス頻度やコストが少しでもかからないような素材を選ぶことだって可能です。長く住もうと思えば当然に気になる点を、建築当初から対策できるというのはメリットですね。

ただし、気持ちを通わせることができる建築士や信用のおける建築業者探しから始まり、打ち合わせの時間も、完成までに必要となる時間も膨大です。

もちろん、こだわればこだわるほどにお金もかかりますから、すぐに入居したいとか、少しでも安くしたいといった方には向きませんし、設計料や行政機関への申請手数料はもちろん、土地、建物それぞれの契約書に印紙代が必要だったりと、諸費用もバカになりません。

また、今は完成時の空間構成をヴァーチャルで確認できたりするサービスもありますが、そうは言っても、やはり図面やヴァーチャルでは実際の部屋の広さや見え方を正しく理解することは難しく、思ってたのと違う・・・ということがゼロではない、ということは覚悟しておくべきです。

建売住宅を選ぶべき方

建売住宅を選ぶべき方

  • 業者選びや打ち合わせに時間をかけたくない方
  • 少しでもおトクにマイホームを手に入れたい方(こだわりより損得を重視)
  • 将来、貸すか売るかする予定のある方

要するに「マンション派」に近いお考えの方。

こだわりが無いというわけではないのですが、建物についてこうしたい、ああしたいというよりは、ここに住みたい、こういった場所に住みたいという立地に重きを置く方と言ってもいいかもしれません。

こだわりは感じられないかもしれませんが、より多くの人に「住みやすそう」と感じてもらえるような一般的な間取りになっていることが多いため、将来的に実家に戻るといった計画のある方なら、貸すか売るかはしやすいはずです。

建売住宅のメリット・デメリット

建売住宅のメリット

  • 注文住宅よりも割安
  • 諸費用も安い
  • 建築業者探しや打ち合わせなどに時間を割かれない
  • 即入居できる
  • 現物を見て判断できる
  • 貸したり売ったりはしやすい

建売住宅のデメリット

  • 建築業者を選びにくい
  • 間取りや設備に好き嫌いは言えない
  • 安さには理由がある

なんと言っても、安くて時間もかからないのが建売のメリットです。

大手住宅メーカーなら、同じ土地で同じ建物を建てたら数百万円もの違いが出ることがあります。

コレはとにかく出荷数を増やしたいとか、部材をつくる工場の稼働率を上げたいとか、大手ならではの様々な思惑があるためです。施主からの受注だけでは計画に満たないような状況を回避するべく、建売住宅として部材を出荷してしまうのですね。あとは現場で必死に売れと。

クルマでいえば新古車のようなものですから、価格は下げざるを得ませんし、注文住宅なら施主が当然に負担するべき「設計料」や「行政機関への申請料」はタダ。おまけに、通常なら土地と建物それぞれに必要となる収入印紙も建物+土地というひとまとめの価格に対してだけでOKと、とにかくお金の面でのおトク感は凄まじいものがあります。打ち合わせに時間も割かれませんしね。

税制面での優遇を受けられるうちに家を購入するかと思い立った時に、もう締め切り間際・・・といった方でも、建売ならローンの手続きなどさえ間に合えば即入居できてしまうといったこともメリットになるでしょう。

実際に建物を見て判断できるので、注文住宅のように、完成しないとわからないということが全くないのも大きな安心材料です。

ただし、あくまでも販売しているものの中からしか選べないため、好きな建築業者を選ぶということは困難。工法やアフターメンテナンスなど、信頼できる会社なのか? といったことは事前に調べておく必要があります。

安いといっても、単なる安普請である可能性も否めませんから。

特に、屋根や外壁などにどういった部材が使われているかはキチンとチェックしておいてください。購入する時には安くて良かったと思えても、実際にはメンテナンス費用がめちゃくちゃにかかる仕様だった・・・といった可能性もゼロではないからです。

それぞれを選ぶ際のポイントを押さえて失敗のない計画を

グッド

衝撃的な事実かもしれませんが、こだわり抜いた注文住宅より、なんてことのない建売住宅の方が、中古として売りに出したり、賃貸として出した場合には決まりやすかったりするものです(もちろん例外はあります)。

こだわりというのは、あるご家族には魅力であっても、それ以外のご家族からしたら「なんでこんなふうにしちゃったんだろうね?」と首をかしげたくなるものでしかない場合が結構あります。「ウチならこんなことはしない」と。それに、こだわった分だけ、高い金額で売りたいとか、貸したいといった欲が出るので、当然売りづらく、貸しづらくなります。

その点、建売住宅はできるだけ「嫌われない」つくりにすることが一般的なので、より多くの人に検討してもらいやすい状況となります(建売住宅の全てが当てはまるわけではありません。土地の形状や場所などに大きなデメリットを抱えている場合は、かなり尖った仕様にして、ほんの一握りの方に刺さるように作る場合もあります)。

最後にそれぞれを選ぶ際の重要ポイントを記すとすれば、注文住宅を建てたいという方は、とにかく建築士と完成時のイメージを共有しておくこと。パースを作成してもらうとか、模型を作成してもらうとか、費用がそれなりにかかっても、できる限り具体的に空間を把握しておくべきです。建てた後で「こんなはずじゃなかった・・・」というのは悲惨ですからね。

建売住宅を購入しようとお考えの方は、信頼できる会社か? 安さの理由は? という2点だけはしつこいくらい確認するべきです。例えば外壁が5年でボロボロになったとして、「どうしてくれる? 保証しろ!」などと詰め寄っても、「そういう建物だった」と言われてしまえばそこまでです。よく「10年保証」という言葉を耳にしますが、あれは雨漏りや構造躯体の瑕疵(見えない傷)についての保証でしかなく、屋根や外壁などの仕上げ材についての保証ではありませんのでご注意を。

家は、建てるまでより建ててからの方が遥かに長いもの。アフターメンテナンスに信頼のおけない業者では、先々不安です。

ここまで書いてきた通り、どちらが良いかはご家族によって違いますので、先述したメリット・デメリットを読み込んで、どちらがあなたのご家族にとって良いのかをご判断いただくしかありませんが、どちらを選ぶにしても、キチンとポイントを押さえておけば安心です。

あなたの家づくりが、後悔のないものとなることを願ってやみません。

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

住宅メーカー勤務。不動産で「絶対に失敗したくない」人に向けた情報を発信/ 所有資格: 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者他
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