【誰でもできる!】シロアリの定期的な予防と対策

本記事の内容

  • シロアリのことがわかる
  • シロアリの見分け方がわかる
  • シロアリ対策がわかる

住まいのメンテナンスというと、屋根や外壁のリフォームが真っ先に浮かぶ人がほとんどだと思いますが、最も恐ろしいのはシロアリです。

某住宅メーカーに20年勤務し、実際にシロアリの恐ろしさを目の当たりにしてきた住宅のプロとして解説します。

※姿を見るのは気持ち悪いという方のために、本物の写真は掲載していません。安心して読み進めてください。

目次

シロアリとは

一般的なアリは、ハチ目の昆虫であるのに対し、シロアリは、なんとゴキブリ目

木造住宅などに住みついて木部を食べることは知られていますが、場合によってはコンクリートやプラスチックなども食べることがあります。

日本にはヤマトシロアリとイエシロアリという2種類が生息しており、中でもイエシロアリは被害が大きいので特に注意が必要です。

人間からすれば、とても迷惑な存在でしかないシロアリですが、木などを自然に還す役割を担っており、自然界には不可欠の存在です。

シロアリによる被害

シロアリは柱や土台を食べるため、家屋の耐震性を著しく低下させます。

例えば、1995年に起きた阪神・淡路大震災では、シロアリ被害のあった家屋の9割が全壊したのに対し、シロアリ被害のない家屋で全壊したのは2割程度、6割弱の家屋は軽微な被害で済んでいたというデータが、日本建築学会近畿支部より公表されています。

中には、「我が家は鉄骨造だから大丈夫」などと高を括っている方もいらっしゃいますが、鉄骨造と言っても、主要な構造体が鉄骨でつくられているというだけで、木材をまるで使わないわけではありません(フローリングなどの仕上げ材はもちろん、1階の床を支える根太(ねだ)という部材など)。

実際、私がリフォームの仕事を担当していたときに、鉄骨造の家なのに1階の床がシロアリにやられてしまい、床が落ちてしまったというご相談もありました。

写真が残っていないのが残念ですが、8畳の和室が中心に向かって蟻地獄のように陥没していたのを見たときには震えました。

その部屋は普段使わない客間だったということで、生活自体にはさほど支障がない様子だったのが不幸中の幸いでした。

シロアリと羽アリの見分け方

住宅業界もしくは不動産業界にいると、「自宅に羽アリが出た!シロアリがいるんでしょ?なんとかして!」というご相談を受けます。

羽アリ=

まずは下図をご覧ください。

実は「羽のあるアリ=シロアリ」ではないのです!!

もちろん、シロアリもいますが、クロアリの羽アリというのも存在します。そして両者は見た目にハッキリ違いがあります。そのポイントは以下の3つ。

  1. 触覚
  2. 胴体の形状
  3. 羽の長さ

触覚は細くてわかりづらいかもしれません。わかりやすさで言えば、マンガ「ワンピース」に出てくる女性キャラのように腰がくびれていたら、それはクロアリ。「Dr.スランプ」(古っ)のように、ずん胴ならシロアリですが、一番わかりやすいのは羽です。

4枚の羽の大きさがほとんど同じならシロアリ、上図のように大小組み合わさった形ならクロアリです。そして、シロアリの羽は簡単に落ちるのです。羽アリを見つけた際、気持ち悪いとは思いますが、少しだけ遠目に眺めてみてください。

ずっと羽があるのがクロアリ。突然、羽がポロリと落ちるのがシロアリです。

実際、「羽を引っ張って見れば、シロアリは簡単に羽が取れるから試してみると良い」なんて言う業者もいます。虫嫌いの人には絶対に無理でしょうが。

これは10年ほど前に、私が実際に体験したことです。

6月頃、掃除か何かで洗面所の窓を開けていたら、外から羽アリが飛び込んできました。

で、何気なく見ていたら、目の前で羽が4枚ともポロリと落ちたのです。

要するに、次のターゲットとなる木造住宅を探して飛んできて、ターゲットに辿り着いたので、もういらなくなった羽を落として、これから木部を食い破ろうとしていたんですね。

噂には聞いていましたが、目の前でこれを見た時はやっぱりちょっと驚きました。

羽アリの発生時期は?

ヤマトシロアリ:4〜5月

イエシロアリ:6〜7月

駆除方法と自宅を守るための対策

シロアリの駆除方法には以下の2つの方法があります。

シロアリ駆除の2つの方法

  • 薬剤散布
  • 毒エサ設置

凶暴なイエシロアリは、巣ごと潰さないと効果がないので、毒エサ設置が向いています(ひとつの巣に100万匹と言われます)。

自宅にシロアリの食害がないかを調べるには、浴室や洗面所、玄関など、湿気を帯びやすい場所の木部を触ってみるのがわかりやすいです。木材を触った際、ぶよぶよとした感触で中身が無いようなら、それこそがシロアリの食害です。

通常、シロアリから住まいを守るには、5年毎(メーカーによっては10年保証しているところも)に薬剤散布などを繰り返す他ありませんが、他にも大切な住まいをシロアリから守る方法としては、以下のようなものも考えられます。

シロアリの被害を防ぐために

  • 定期的に点検、予防(薬剤散布)を繰り返す
  • 庭の枯れ木などを放置しない
  • 家の周辺に木材を置きっぱなしにしない(天然木のウッドデッキや木の杭など、ガーデニング用品も含めて)

シロアリは基本的に生きた木は食べません。朽ちた木を食べます。

なので、シロアリの被害にあった家を注意深くみてみると、かなりの確率で庭に木材が放置されていたり、枯れた木がそのまま植えられていたりします(私の経験則によれば、です)。

当然、そういった木材や枯れ木はシロアリにやられてボロボロ。それらを食べ尽くした後で、家も食べているということです。ですから、まずは家のメンテナンスを定期的に行い、家の周辺にシロアリのエサとなるようなものは置かない。これだけでシロアリの被害は劇的に減ります。

最近の住宅は、どれも耐震性能の高さをアピールするものが多いですが、先述したとおり、シロアリによって土台がやられてしまえば、本来の性能が発揮できないこともあるわけです。

住宅の土台とは、人間にとっての足腰と同じ。50mを6秒フラットで走れる人がいたとしても、それは足腰が万全なら、と言う条件付きでしょう。万が一の時にこそ、万全の性能で家族と財産を守ってもらうためにも、必ず定期的なメンテナンスをしておきましょう。

それではここまでお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

住宅メーカー勤務。不動産で「絶対に失敗したくない」人に向けた情報を発信/ 所有資格: 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者他
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