「中庭のある家」のリノベーションを通じて知る、メリットとデメリット

 

 

 

パンチ氏
「中庭のある家」が欲しいんです。
キック所長

明るくなるし、中庭に緑があると癒されるな。

 

 

 

本記事の内容

  • 「中庭のある家」のリノベーションプランのご提案
  • 「中庭のある家」のメリット、デメリットがわかる

 

「中庭のある家」が好きです。

オシャレなイメージばかりで語られることが多いですが、実はそれ以外にもメリットがあります。

もちろん、デメリットも。

本記事では、リノベーションを通じて、そのメリットとデメリットをお伝えします。

大手住宅メーカーで1,000の間取りをクリエイトしてきた筆者が、住宅のプロとして解説します。

 

 

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目次

「中庭のある家」のメリット、デメリット

まずは「中庭のある家」のメリット、デメリットを確認します。

 

 

 

メリット

  • 中庭が家に明るさをもたらしてくれる
  • 中庭が家族に癒しをもたらしてくれる
  • 周囲を建物に囲まれているような状況なら、中庭側のみに大きな窓を集中させることでプライバシーが守れる
  • 周囲に高い建物があって、陽当たりがあまり望めない状況でも、視覚的に明るさを得ることができる

デメリット

  • 建物の外周が長くなるため、建築費が高い
  • 中庭に木を植えた場合、水やりなどのメンテナンスが大変
  • 中庭に水場を設けた場合、掃除などのメンテナンスが大変

上記したように、デメリットもしっかりありますので、きちんと理解した上でご計画を進めてください。

 

 

 

 

リノベーション前のベースプラン

ベースプラン

二階建て4LDKの中古住宅。

1階
2階

一階の黄緑色に塗ったところは坪庭です。

オレンジ色に塗ったところは収納です。

床面積は112㎡(33坪)※いずれも小数点以下切り捨て。

 

 

 

ベースプランの良い点、気になる点

1階

1階から見ていきます。

◯ 家中に明るさをもたらす坪庭… 敷地面積や隣家の状況によっては、敷地に日照確保のためのスペースを設けることが難しい場合があります。そういった際、このようにライトコートを設ければ、直射日光は望めないとしても、視覚的には充分な明るさが確保できることがあります。玄関に入った瞬間、壁ではなくガラスの向こうの坪庭が見えるというのは、とても明るく印象の良いものです。ただし、このプランのように坪庭の四方を囲ってしまうと、木を植えたりした場合、お手入れや万が一枯れた際の伐採など、後の処分が大変になることも考えられます。イメージ先行で突き進むのではなく、最初からデメリットまで理解したうえでプランニングを進めることが重要です。

× 形状の歪な和室があります。畳も3畳くらいしか敷くことができず、天井の一部は階段下となっているため、斜めに下がっています。さらに出入口は襖一枚と、個室に近い作りです。以前の所有者は、それこそ個室として使っていたのかもしれませんが、これから中古で購入するなら、もう少し利用価値を高めたいところです。

× 和室のすぐ横に描かれているのは冷蔵庫です。ダイニングキッチンのスペースなのでしょうが、キッチンとあまりにも離れているため、家事動線は悪いと言わざるを得ません。さらにキッチンの背面には奥行40cm程度のものしか置けません。このあたりも併せて改善したいものです。

× トイレがキッチンのすぐ隣で、しかも出入口が折れ戸です。飲食店でもここまでの距離感というのは中々無い作りだと思いますので、少しでも改善できるよう考えてみます。

× 洗面所はスペース的には充分ですが、洗濯かごなどを置く場所が洗面化粧台を挟んだ向こうと、合理性に欠けますので、改善してみます。

2階

次は2階です。

◯ 床面積に対して収納量が不足気味ですが、2階に設けられた納戸が多少は収納量を改善してくれています。ただし、通路として必要なスペースを考慮すると、大した収納量にならないのが残念です。

◯ 広いバルコニーは、洗濯物や布団を干すスペースとして有用なだけでなく、ライトコートに陽射しを届けることにも役立っています。周囲の状況と季節によっては、寛いだり遊んだりといったスペースとしても使えます。

× 寝室に設けられたウォークインクローゼットは通路が多く無駄な作りになっています。せめて出入口をもう45cmでも図面の上側に移動すれば、無駄なスペースが僅かではあっても減りますが。

× 2室並んだ、図面では上側の洋間の収納が畳半畳分しかなく、少ない印象です。

× 2階もトイレに折れ戸を使っています。スペース効率には優れますが、シンプルなドアや引戸に比べると故障しやすい印象があります(超個人的な印象です)。

 

 

 

前提条件

全体の形状(外周)は変更しません。

また、リフォーム費用は少ないに越したことはありませんので、極力、窓や水廻りの位置は変えないように努力します。

ただし、絶対に動かさないわけではありません。

 

 

 

リノベーション後の新プラン

1階

まずは1階。

玄関は下駄箱を廃し、シューズクロークに変えました。

三和土(たたき)の面積に比べてホール部分の奥行が狭かったので、均等に割ってみました。

正面のライトコートはそのまま活かします。

リビングはダイニングと兼用としました。

その代わり、キッチンには奥行きの深いカウンターを新設し、ちょっとした食事ならそのカウンターでも摂れるようにしました。

歪な和室は少し大きくし、続き間としても使いやすいよう、障子もしくは襖でL字型に繋がるよう改修しました。

リビングには作り付けの家具も含めて収納を増やしました。

キッチン横の収納の形状と収納扉の位置を変更したことで、キッチンの背面には60cm程度の食器棚が置けるようになりました。

冷蔵庫もキッチンのすぐ背面に置けるようにしたことで家事効率がアップしました。

洗面所は3畳から2.5畳にサイズダウンしましたが、洗面化粧台と洗濯機との間に空間を設けて洗濯かごなど置けるようにしました。

洗面所とキッチン横の収納のサイズダウンによって、トイレを横置きにし、キッチンと視覚的にも距離感をつくることができました。

2階

続いて2階です。

トイレの位置を変更し、各部屋の収納を使いやすく配置し直しました。

畳数よりも、実際にベッドやデスクなどの配置を考慮して収納の位置や大きさ、ドアの開き勝手を決めました。

納戸は少しサイズダウンしましたが、小さいながらま廊下にも収納を追加したり、出来る限り全体の収納量を増やすように計画しました。

 

 

 

まとめ

今回はちょっと変わったプランをベースに、味付けを変えてみました。

ベースプランのように、とにかく広いスペースを確保しておいて、あとは住む人の好みで色付けしたいという方もいらっしゃると思いますが、とにかく変形和室と1階トイレの位置が気になってしまい、そこの改修をメインに取り組みました。

個人的には、このように家の中心に緑がある、というような間取りは大好きなのです(後々のメンテナンスさえ考えなければ)。

家中に自然光が差し込み、どこからでもシンボルツリーの緑を楽しめるというのは、オシャレなだけでなく、心癒される空間になるからです。

あとは浴室からも望めるようにさえできれば完璧でしたが、浴室の窓まで中央に向けてしまうと、他の部屋からまるみえになってしまうので、中々難しいんですよね。

欲を言えば、もう少し全体の収納量を増やしたかったですが、そうなると、各部屋をもっと狭くするか、建物の外周から変えるくらいのことが必要になったので、今回は諦めました。

また、和室を納戸にしてしまえば、ダイニングをキッチン横に広く取ることもできますので、それはそれで面白そうでしたが、今回は和室を残し、さらにベースプランよりも使いやすくするという選択をしました。

要するに、まだまだ様々な可能性があるということです。本当に間取りは面白い!

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

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この記事を書いた人

住宅メーカー勤務。不動産で「絶対に失敗したくない」人に向けた情報を発信/ 所有資格: 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者他
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