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「リフォーム」と「リノベーション」の違いがわかりません。
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同じような意味で使われていることが多いが、実は結構違うぞ。
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本記事の内容
- 「リフォーム」と「リノベーション」の違いがわかる
- 事例ごとの分類がわかる
「リフォーム」と「リノベーション」の違いをご存知ですか?
最近よく聞くようになった「リノベーション」という言葉ですが、「リフォーム」と同じ意味で使っている人も多いと思います。
ここでは「リフォーム」と「リノベーション」という言葉が持つ本来の意味と、事例ごとの分類についてご紹介します。
大手住宅メーカーで1,000の間取りをクリエイト。
リフォーム、リノベーションの現場も経験してきた住宅のプロとして解説していきます。
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1. 「リフォーム」と「リノベーション」
以前はいわゆる改修工事のことを総じて「リフォーム」と呼んでいました。
「リノベーション」という言葉が一般的になり始めたのは、ほんの10数年前からだったはず。
これら2つは厳密には違うものです。
しかし現在でも「リフォーム」と「リノベーション」の2つを同じものだと思っている方は多いと思います。
まずは2つの言葉が意味するものの違いについて解説していきます。
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昔、大人たちに全てのTVゲームが「ファミコン」と呼ばれていたようなものだな。
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1-1. リフォームとは
一般的に「リフォーム」とは、老朽化した建物を新築の状態に戻す(近づける)ことを言います。
賃貸物件の場合には、入居者が退去する際、入居前の状態に戻す原状回復義務というものがありますが、これも「リフォーム」に該当します。
壁クロスや床材の張り替えといった内装工事はもちろん、キッチンや浴室、トイレなどの設備を入れ替えることも「リフォーム」です。
また、壊れた設備の修理や、雨漏りなどの修繕工事も「リフォーム」と呼びます。
つまり「リフォーム」とは、比較的簡単で小規模な改修工事のことです。
1-2. リノベーションとは
「リノベーション」とは、建物の新築時以上に、新たな付加価値を付け加え再生させることです。
例えば、マンションをフル・スケルトン(空っぽで剥き出しの躯体の状態)にしてからの配管工事や間仕切り変更、あるいは居住用の物件をオフィスビルに改修する建物の用途変更(コンバージョン)等の大規模な工事のことを指します。
Tips
「コンバージョン」とは?
建築における「コンバージョン」とは、建物の用途変更のことを意味します。
例えば、構造躯体以外全て取り払うような大がかりなリノベーションをしたオフィスビルをマンションに再生するといったことや、廃校になった小学校を福祉施設に再生すると行ったことがこれにあたります。
細かく言えば、新築時よりも性能がアップするような工事も「リノベーション」と呼びます。
次の項で、「リフォーム」と「リノベーション」それぞれの分類を見てみましょう。
2. 「リフォーム」と「リノベーション」の例
ここからは想定される工事が「リフォーム」に当たるのか、「リノベーション」に当たるのかを見てみます。
厳密な分類はされておりませんので、あくまでも私見です(もちろん私なりの根拠はありますが)。
まずは「リフォーム」からまとめます。
「リフォーム」例
- 屋根の塗装
- 屋根の葺き替え
- 雨樋の入れ替え
- 外壁の塗装
- 外壁の張り替え
- 玄関扉の入れ替え(同等品)
- サッシの入れ替え(同等品)
- 内部扉の入れ替え(同等品)
- 壁クロスの張り替え
- 土壁の塗り替え
- フローリングの張り替え
- クッションフロアの張り替え
- 畳の入れ替え、表替え
- キッチンの入れ替え
- トイレの入れ替え
- 浴室の入れ替え
- 洗面化粧台の入れ替え
- その他設備品の入れ替え
続いて「リノベーション」についてまとめます。
「リノベーション」例
- 屋根の葺き替えと同時に行う屋根の断熱性や遮音性を上げるための工事
- 落雪防止工事
- 雨樋の変更(サイズアップ、竪樋の追加など)
- 外壁工事と同時に行う外壁の断熱性や遮音性を上げるための工事
- サッシの入れ替え(高性能サッシへの入れ替え)
- インナーサッシの追加(二重サッシ化)
- 内部扉の更新(バリアフリー化を図るため、開戸を引き戸に変更するなど)
- 増築
- 減築
- 間仕切りの変更・追加・削除
- バリアフリー工事(段差解消、手摺り取り付け、スロープの設置など)
- 照明器具の追加
- TV端子やエアコンなどの追加(配線も無い部屋に追加設置する)
- インターネット設備の導入
- 水廻り設備の位置変更・増設・削減
- 造園工事
- カーポート屋根の設置
- 太陽光パネルの設置
- 基礎下の環境改善のために換気扇などを設置
- 建物の用途変更
- 配管の改修工事
- 耐震改修工事
ざっと以上です。
3. 「リフォーム」と「リノベーション」の違い
まとめると、以下のようになると思います。
「リフォーム」とは?
- 小規模
- 新築時の状態を±0として、経年劣化や破損、汚損によってマイナスになった部分を0に戻す(近づける)作業
「リノベーション」とは?
- 大規模
- 新築時の状態を±0として、それよりも高性能化する作業、付加価値をつける作業
つまり、「リフォーム」と言うのはメンテナンス工事と言い換えても良さそうで、おそらくは大半の方がイメージされている「リフォーム」は、むしろ「リノベーション」なのではないでしょうか。
以前放送されていたTV番組「大改造‼︎劇的ビフォーアフター」は、完全に「リノベーション」の範疇です。
番組内に登場する建築士さんたちは「リフォームの匠(たくみ)」と紹介されていましたが、こうやって分類してみると「リノベーションの匠」でしたね。
あれほどの大改造なんて一般的ではないと思っていましたが、最近では、何千万円もする新築のマンションを購入するよりも、格安で手に入れた中古マンションを好みの家に「フル・リノベーション」するというのも人気です。
そういった現場に立ち会わせていただく機会もありましたが、これはこれで良いなあと思ったものです。
特に、価格が手頃で、立地が魅力的な物件(オーシャンビューなど)であれば、是非検討していただきたいものです。
ただしマンションの場合は、事前に管理組合に工事(工事の内容や工期)の許可申請を提出し、近隣住民の了解も得なければならないため、戸建に比べて手続きが面倒というのはあります。
また、通常マンションでは床に「遮音フローリング」というものを使いますが、遮音フローリングには等級があり、マンション毎に必須とされる等級が定められています(通常、管理規約に記載があります)ので、それを知らずに工事をすることはできません。
ですからマンションで大がかりなリノベーションをお考えになる際は、間違ってもセルフリノベーションではなく、信頼できる業者に任せましょう。
Tips
遮音フローリングの等級とは?
L値、またはL等級という基準が定められています。
これは、上階の床で生じた音が下階でどの程度聞こえるのかの基準値です。
L値は数字が小さいほど遮音性が高く(L-45よりもL-40の方が遮音性は高い)、ほとんどのマンションで許可されているのはL-45以下のものです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。