【本音レビュー】無印良品『空気でできたソファ』と『体にフィットするソファ』比較

2024年1月11日の発売以来、瞬く間に完売。

店舗在庫はもちろん、オンラインショップでも再販後即完売という状況になっているのが、無印良品の新商品『空気でできたソファ』です。

発売前からずっと気になっていたこの商品ですが、この度、運よく購入することができましたので、開封レビューをしてみたいと思います。

無印良品のソファといえば、「人をダメにするクッション」と呼ばれたビーズ・クッション『体にフィットするソファ』が有名ですが、我が家でも10年ほど愛用してきました。本記事では、この2つのソファの比較についても書いてみます。『空気でできたソファ』と『体にフィットするソファ』のどちらが良いのか? 果たして使えるのか? とお悩みの皆さんのため、忖度なしにレビューします。最後までお付き合いいただければ幸いです。

目次

『空気でできたソファ』とは

まずは『空気でできたソファ』の概要から確認してみましょう。

名前の通り、空気をクッション材の代わりに使った一人がけのソファで、ポリエステル100%の張り材の中に5つのエアバッグ(座面・腰部・首部・左腕部・右腕部)をセットして使います。エアバッグは付属のポンプでそれぞれに空気量を調整できるので、座り心地も使う方の好みの設定にできます。

無印良品の商品説明によれば、上記「座り心地の調整が可能」という点に加え、「軽く、移動や掃除も楽に行える」「空気を抜けば、コンパクトに折りたたんで収納できる」と記載されています。

実際、重量は約4.9kgとなっており、女性でも軽々と動かせます。

大きさは幅950×奥行き950×高さ725(単位:mm)の1サイズ。カラーはイエロー、グレー、グリーンの3色展開となっています。

当初は「グレー一択かな?」と思っていましたが、実物は無印良品のサイトに掲載されている写真よりも深みのある色合いで、店頭で確認した時には、正直どれも良いと思えました。

私はグレーを購入しましたが、それは我が家の他の家具とのコーディネートを考慮したからで、未だに他のカラーへの未練が捨てきれていません。購入を考えている方は、必ず店頭まで足を運び、実物を確認してから決めるべきです。3色しかない、という見方もあるかもしれませんが、個人的には良い色を厳選した、と思います。

開封からセッティングまで

無印良品のオンラインショップから届いた『空気でできたソファ』。店頭でもこの箱が山積みになっています。

中にはソファ本体(5つのエアバッグは所定の位置にセット済み)と空気を入れるためのポンプと取扱説明書(紙1枚)が入っています。

本体上部
本体下部

本体下部と背面にファスナーが5箇所。それぞれにエアバッグがセットされ、それぞれのファスナーを開けたところにA・B・C1・C2・Dというタグが付いています(エアバッグにもそれぞれのタグに対応する記載があります)。

エアバッグに書かれた「A」の文字
タグに書かれた「D」の文字

このアルファベット順にエアバッグに空気を入れていけば完成です。

ひとまず完成させた状態(この後さらに調整しました)

ポンプ自体の操作感は軽くスムーズ。ただし、空気を入れすぎるとファスナーが閉じなくなるので、入れすぎた空気を排出し、調整する必要があります。この調整がなかなか難しく、写真のような完成形に至るまでにおよそ30分ほどかかりました。

詳細は後述しますが、組み立て作業は無印良品の説明から受けるような簡便さよりも面倒臭さが際立ちます。それでも、こうして完成した姿を見ると、とてもシンプルなのに存在感のあるデザインで、素敵な色合いも相まって良いものを購入した気分になれます。こういった点は、いかにも無印良品という印象です。

座り心地はまずまずだが・・・

こうして完成した『空気でできたソファ』ですが、実際に座ってみると、子どもも大人もスポッと収まる包まれ感が心地良いです。体型にソファが合わせてくれるところはビーズ・クッション同様ですが、埋もれるのではなく、反発する感じは空気独特のものでしょう。

当初、ソファというよりは座椅子というイメージを抱いていましたが、なるほど、確かにソファのような座り心地です。背もたれに首を乗せ、だらっとした姿勢で寝そべってみると、リゾートホテルのプールに大きな浮き輪でぷかぷか浮かんでいるような感じです。私は普段、オカムラのコンテッサ・セコンダを愛用しているのですが、それよりもずっと安楽ではあります。姿勢として正しいかと言われれば微妙ですし、長時間この姿勢をキープしたら腰は痛くなるかもしれませんが。

9,990円(税込)という価格も『体にフィットするソファ』よりも割安であり、全然悪くはないですが、気になる点も。それは空気の調整がかなり面倒臭いことです。

まず、ポンプとバルブの接続が渋い。

ポンプの操作感は先述した通り軽くてスムーズですが、バルブとの接続はかなりキツい。力技で押し込むしかないので、女性一人でやるのはなかなか骨が折れる作業のように感じました(個体差はあるかもしれません)。バルブと接続できたように見えてもスルッと抜け落ちてしまったり、ようやくハマっても空気を入れている最中に外れてしまうことも多々ありました。

バルブの中心部を押し込むと空気が抜ける

また、入れすぎた空気を抜く際には、エアバッグのバルブ中心部を押し込むか、バルブの栓を開くかするしかないのですが、これもまたなかなか大変です。爪の長い女性に、あのバルブ中心部を押し込むことができるとは思えませんし、バルブの栓を抜くのも非常に困難(空気が漏れないようにするには仕方ないこととも思いますが・・・)です。購入直後だからキツいというのはあると思いますが、爪でやるのは絶対にやめた方がいいです。マイナスドライバーなどを利用してやると良いかもしれません。

それに、エアバッグの容積とポンプの能力などが全くのブラックボックスのため、入れすぎてファスナーが閉じないほどパンパンになり、その度に空気を排出して調整する、という面倒臭い作業を強いられることとなりました。

今後も使いつづけるとしたら、座り心地を調整したり、抜けた空気を足したりという作業が待っているわけですが、またあのポンプとバルブと格闘するのかと想像すると、それだけで憂鬱になります。

せめてバルブとポンプの接続部をネジのように回して接続できるとか、ワンタッチでパチンとハマるとかそういう仕様にしてくれればラクなのに・・・などと思うのは、9,990円(税込)という価格設定からすれば、こちらの要求が過大すぎるのかもしれませんが、「空気の充填量の調整だけで座り心地を変えられる」ことがセールスポイントのこの商品で、空気の出し入れが最も大変というのは、なんだか納得いきません。

『体にフィットするソファ』と比べると・・・?

だいぶへたってきた『体にフィットするソファ』

では、およそ10年愛用し続けてきた『体にフィットするソファ』と比べたらどうなのか? 正直、この二つの商品で迷っている方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、私は『体にフィットするソファ』を推します。

価格だけ見れば『体にフィットするソファ』は、最もスタンダードなタイプ(廉価版の小さなタイプや、大きな長方形タイプもあります)で本体価格が9,990円(税込)と、『空気でできたソファ』と全くの同額ですが、別売りのカバーを購入する必要があるため、実際には『空気でできたソファ』よりは高額です。

ただし、箱から出してカバーさえかければすぐに使えるお手軽さは『空気でできたソファ』とは比べものになりません。また、長時間同じような格好でだらけていても体が痛くならないのは間違いなく『体にフィットするソファ』です。この記事を書くため、2時間ほど『空気でできたソファ』を使っていますが、既に背中に違和感が出てきました。もちろん、こうした違和感が出ないように5つのエアバッグを調整してやることも可能なのかもしれませんが、先述した通り、調整が面倒臭すぎて、とても頻繁にやろうとは思えません。

とはいえ、『体にフィットするソファ』の方にも問題はあって、それは中のビーズがへたってしまうことです。購入したばかりの頃は、体にフィットしながらも腰のある座り心地を提供してくれますが、使っているうちにサンリオの“ぐでたま”みたいになってきます。こうなると、本体を買い替えるか、もしくは別売りで補充用クッションというのを購入するしかありません。

思い切って本体を買い替えようかとも思ったのですが、9,990円(税込)という価格だけでなく、使わなくなった本体を粗大ゴミとして出さなくてはならないという手間がイヤで、補充することに決めました。この補充用クッション(税込2,990円)をへたった本体と一緒にカバーに詰め込めば、ぐでたまが温泉たまごくらいにはなります。

新品に戻ったとまでは言えませんが、3,000円払って良かった、くらいの気持ちにはなりました。

とはいえ歴史は始まったばかり

とはいえ、『空気でできたソファ』を全否定するつもりはありません。

今や無印良品を代表する一品、『体にフィットするソファ』が発売されたのは、なんと2002年のこと。既に22年もの歴史ある商品なのです。細かなところでブラッシュアップされてきたことがロングセラーであり続けた理由なのでしょう。

そんな大ベテランと比較すれば、『空気でできたソファ』は今年デビューしたばかり。

デザインや色合いといった見た目は良く、価格も決して高くはありません。ただし、この商品のキモとなる「空気を充填する」という部分に煮詰めの甘さが感じられるこの商品がベストセラーからロングセラーへと上り詰めるためは、無印良品がどれだけ本気でブラッシュアップできるかどうかにかかっていると思います。

ちょっと辛口になったのは、とても面白い商品なのに細かい部分でイマイチ推しきれないという、なんともやるせない気持ちになったためです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

空気でできたソファ
総合評価
( 3 )
メリット
  • シンプルながら存在感のあるデザイン
  • 写真よりもずっと良い絶妙な色合い
  • 軽いので移動が楽
デメリット
  • 空気の出し入れが非常に面倒

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この記事を書いた人

住宅メーカー勤務。不動産で「絶対に失敗したくない」人に向けた情報を発信/ 所有資格: 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者他
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