間取り

家を探す前に知っておきたい、北向きの土地のメリット・デメリット

スポンサーリンク

 

 

パンチ氏
北向きの土地なんて買う価値ありませんよね?

そんなことはない。

どんな土地にもメリット・デメリットは必ずあるからな。

キック所長

 

 

 

こんな方におすすめ

  • 北向きの敷地で建て替え、もしくはリノベーションを考えている
  • 北向きの土地のメリット・デメリットを知りたい
  • 間取りのアイデアを探している

 

窓が大きくて南向きの明るい家に、きっと誰もが憧れます。

しかし、現実には北向きの土地も東西向きの土地もあるため、そんな理想通りの家を誰もが手に入れられるわけではありません。

では、南向き以外の家に住む人は不幸なのでしょうか?

そんなことはありません。

それどころか、南向きの土地を手に入れたからと言って、その土地の使い方を誤ったために思ったような暮らしができない方もいるのです。

まずは敷地の向きとそれに関するメリット・デメリットをきちんと押さえることが重要です。

今回は、北向きの土地をサンプルとして、メリット・デメリットとそこでのリノベーション案を検証します。

大手住宅メーカーで1,000の間取りをクリエイトしてきた筆者が、住宅のプロとして解説します。

 

 

筆者のプロフィールはこちら

関連記事
管理人のプロフィール

ブログ『ラボマドリ』管理人の自己紹介ページです

続きを見る

 

 

北向きの土地のメリット・デメリット

まずは北向きの土地のメリット・デメリットをまとめてみます。

 

 

北向きの土地のメリット

  1. 南向きの土地等よりも安く購入できる
  2. 上下水道やガスの配管工事費が南向きの土地等よりもローコスト(間取りによるが一般的には)
  3. 直射日光よりも柔らかい明るさが期待できる
  4. 南向き等よりも紫外線の影響が少ないため、内装や家具等の日焼けが少ない
  5. 道路面(北側)から見えない場所にリビングや庭があるため、プライバシーを確保できる(間取りによる)

北向きの土地のデメリット

  1. 南向きの土地等よりも安くしか売れない
  2. 陽当たりが悪い(南側隣地等の周辺環境による)
  3. 北側には水廻り等を設置することが多く、窓は小さく、バラけた配置となるため外観がイマイチ(間取りによる)
  4. 道路側(北側)に水廻りを設置することが多いため、防犯面に不安(周辺環境にもよる)

 

 

意外とメリットも多いということが伝わったと思います。

ただし、メリットの2がわかりづらいかもしれませんので、下図で補足します。

 

一般的に、水廻り(キッチン、浴室、洗面、トイレなど)は、居室と比べると陽当たりの良さは重視されないため、北側のゾーンに集中させることが多いものです。

また、北向きの家は陽当たりを少しでも確保するために敷地の南側をできるだけ空ける…つまり建物を可能な限り北側(道路側)に寄せるように配置し、逆に南向きの家は陽当たりの悪い敷地の北側にスペースを設けるのはムダなので、可能な限り北側に寄せるのがセオリーです。

つまり、北向きの家は水廻りが道路に近くなり、南向きの家は水廻りが道路から遠くなるのが一般的なため、南向きの家は北向きの家よりも、道路もしくは敷地にあらかじめ埋設された上下水道やガス管から、各水廻りまでの配管工事をしようとすると、割高になることが多いのです。

 

さて、ここまで解説したところで、次にサンプルプランを基に、北向きの敷地で考えられる間取りを検証してみます。

 

 

リプランニング前のベースプラン

ベースプラン

まずは一つ、とある場所に実在する北向きの敷地に建つ建物を検証します↓

 

二階建て4LDKの間取りです。

延床面積は92㎡(28坪)※いずれも小数点以下切り捨て。バルコニー含まず。

ちなみにこの建物は、新築の建売住宅です。

この先、この「建売住宅」というキーワードが重要な意味を持つので、覚えておいてください。

1階

最初に、建築図面の基本を確認しておきますが、特に何の記載もない場合、図面の上が"北"になります。

つまり、上=北、下=南、左=西、右=東です。

ただし、真上=真北ではありません。

多少斜めっていても、大まかに北側を上とします。

この"多少斜め"というのが曲者で、真上から何°までといった基準は無いので、いや、これもう倒れる寸前でしょ?くらい斜めっていても、北という表現になります。

こればかりは、敷地に合わせて図面を書く建築においては仕方のないことなので、とりあえずそういうことなんだ、くらいに覚えておけば良いと思います。

では何故そんな話をここでしたのかと言えば、この建物、上が北なんです。

北側道路の建物の場合、一般的には水廻りなどを北側にまとめて配置するため、小さめの窓がバラバラに配されてしまい、カッコ悪くなってしまいがちです。

展示場や住宅のカタログ写真などに写る大きな窓が縦のラインを強調するようなカッコいい住宅は、ほぼ南向きを意識してつくられたものです。

先ほど、この間取りは建売住宅のもの、と記述しましたが、商品であるがゆえ、外観は重要な要素です。

北向きの家だからといって、カッコ悪くなっても仕方ないとは言えないのが辛いところ。

そこで住宅業界には、北向きの家であっても、まるでカッコいい南向きの家であるかのように、北側に居室を設けることで大きな窓を多用し、カッコ良さを演出するという「住宅展示場方式」とでも呼ぶべき手法が存在するのです。

 

 

併せて読みたい

関連記事
北向きの敷地でも、陽当たりの悪さをカバーする間取りの作り方

北向きの敷地でも、陽当たりの良い家を建てるための間取りのアイデア

続きを見る

 

 

コレもまさにそれ。

北側道路の敷地に建てた建売住宅を見栄え良くするために南北逆転してつくったのでしょう。

そんなことも考えながら、気になるところをピックアップすると、こんな感じです↓

1階で気になるところ

❶無理矢理設けた感のある奥行き45cm程の上がり框ですが、これによって三和土(たたき)部分の奥行きも90cm程に制限されてしまっています。

奥行き90cmの三和土(たたき)って、賃貸だと結構普通の寸法ですが、せっかくの戸建住宅(しかも持ち家)ですから、ここはもう少し広くしておいた方が良いもの買った感がでそうな気がします。

また、玄関周りの収納は不足気味です。

シューズクロークでなく、シューズボックスにしたのは、それほど余裕のない広さの玄関を少しでも広く見せようという意図なのでしょうが、そもそもお世辞にも広い玄関ではないのですから、せめて家族の靴をキチンとしまえて、玄関がすっきりするように、シューズクロークをオススメします。

収納についてもう一点。

階段下に収納がありますが、この高さは非常に低いので注意が必要です。

上図のように、下から4段上がった下の収納ですから、扉の中は階段なりに斜めにしてあったとしても、1番低いところでは、おそらく50〜60cmくらいしかないと思われます。

無いよりは良いかくらいの収納ですね。

❷南向きの陽当たりの良い場所に浴室。

これは、そのこと自体が悪いわけではありません。

というのも、例えば浴室からお庭を眺めたりできる設計というのもあるので、そういう意図なら全然アリだとは思います。

ただ、このプランの場合には、当てはまらないんです。

何故わかるかと言えば、窓が小さいからです。

お庭を眺められる浴室をつくるときは、間違いなく大きな窓を設けますから。

そうなると、単に浴室の遣り場に困って南に配置しただけなのでしょう。

どうせ陽当たりは望めないから、という考えなのかもしれません。

❸独立した4.5畳の和室の使い途が不明。

決して広くはない4.5畳の和室を、こちらも決して広くない14.5畳のLDKと完全に分断させているというのは、ちょっと疑問です。

続き間として活用できれば、4.5畳であっても使い勝手は格段にアップすると思うのですが。

また、もしも客間という設定だとしても、キッチンの横を通って出入りする動線なので、常にキッチンを片付けておかなければならないというストレスも抱えてしまいそうです。

❹LDKが北向き。

今回は、セオリー通り「リビングは南側に配置するもの」という一般的思考に基づいてリプランニングしてみます。

 

続いて2階です。

2階で気になるところ

❶バルコニーが北側。

洗濯物を干すためのバルコニーだとしたら、この配置は、本当は厳しいです。

ただし、先述した見栄えを良くするために道路側にバルコニーを設けるというのは全然アリですし、洗濯物を干すスペースは、必ず外でなければならないということも無いですから、そもそもバルコニーにしなければならないのか、それとも室内のランドリーコーナーみたいなものが良いのかは、建設する地域や、それぞれのご家族の考え方次第だと思います。

なので、ここでは単純に今のバルコニーよりも使いやすい提案がないか、検討してみたいと思います。

❷どんな敷地条件だとしても、階層が上に行くほど、陽射しは確保しやすくなります。

つまり、2階の南側といえば、1階よりも確実に陽当たりは良いはずなのですが、クローゼットになっています。

寝室に陽当たりは必要ない、とも言えますが、これよりも良いつくり方はあるはずです。

❸❹どちらの洋間も窓が1ヶ所だけとなっています。

ダメではないですけど、春や秋など、エアコンをつける程でもないような季節に、自然の風を採り込みたいとすれば、2ヶ所あった方がベストです。

❺収納がもう少し欲しいところです。

当ブログではしつこく書いていますが、収納不足は必ず不満に繋がる要素ですから、ここは少しでも改善しておきたいところです。

ちなみに、延床面積に対する収納面積の割合は、9.5%です。

いつも通り、目指すは面積比率15%です。

 

 

理想の収納量についてはこちら

関連記事
理想の”収納率”とは?住まいに必要な収納量の目安をプロが解説!

収納不足で悩まないために。理想的な収納量についての解説記事。

続きを見る

 

 

上述したポイントを押さえて、下図の赤ラインで囲った外周ラインの中でアナザープランを探ってみることにします。

 

 

この赤い外周ラインの中でなら、建物の形状を変更するのもアリ、という前提でのリプランニングです。

先程明確な答えは出なかった、バルコニーをどうするか、といった問題にも、これで答えられると思います。

 

 

 

リノベーション後の新プラン

そうしてできたのが、このプランです↓

1階から順に見ていきます。

1階

変更点を以下に列挙します。

①玄関の三和土(たたき)の面積を拡大

②シューズボックスをシューズクロークに変更

③洗面所と浴室を北側に移動

④LDKと和室を繋げて南側に配置

⑤和室を4.5畳から3畳に縮小。個室というよりはタタミのコーナーで、リビングの延長というイメージ

⑥LDKを14.5畳から15.5畳に拡大

⑦ガスコンロ(IHでも可)の背面となるダイニングに向いた面に収納新設。カウンターも拡大

⑧リビングのTVボード両脇に天井までの収納新設

⑨洗面所の洗濯機の上に棚を新設。これだけでも、洗濯かごや備品の置き場所ができます↓

洗面化粧台下にも、もちろん収納スペースはありますが、これだけでは足りなくなると思います。

続いて2階です。

2階

こちらも変更点を以下に列挙します。

①洋間(子供部屋)を南側に並べて配置

②トイレの位置を変更。これによって、1階LDKにパイプスペースを設けなければならなくなったのはマイナス要素(僅かだが狭くなるため)

③バルコニーは廃止し、ランドリーコーナーを新設↓

④主寝室は北側に配置。ウォークインクローゼットを2つ新設して収納量をアップ(夫婦それぞれにひとつでも良いが、ひとつは単に納戸という使い方でも良いかと)

 

 

 

まとめ

フロア毎にそもそもあった部屋はそのままに、それよりも方位を意識して部屋の配置を変えたのが今回のプランです。

なお、バルコニーを廃したため、延床面積は92㎡(28坪)から97㎡(29坪)に拡大しました。

なお、収納率は当初の9.5%から14.1%まで改善されました。

目標としていた15%には僅かに届きませんでしたが、全体的なバランスとしては悪くないと思います。

 

ただし、ここが最も重要なのですが、間取り自体の整合性としては新プランの方が絶対に良いと思うのですが、「陽当たり」という問題にフォーカスすると、問題はとても難しくなります。

おそらく、南側隣地との距離がほとんど確保できない敷地で、二階建以上の建物が建っているとするならば、今回のリプランニングした建物の方が、1階の陽当たりは悪くなるはずだからです。

ここが建築の難しいところで、机上の空論ばかりでは、住まい手にご満足いただくことができないのです。

ですから本来は、実際にその土地に足を運んで、自分の目と耳で周辺環境を確認し、施主の希望をじっくり確認した上で間取りというのはつくられなければならないものなのです。

 

施主、もしくは今回サンプルプランとしてピックアップした建売住宅を検討するような人たちは、当然、建築士が現地を確認した上で間取りを作成しているのだろうと考えるはずですが、そうではないこともある、ということは覚えておいた方が良いです。

 

あくまでも最後は自己責任です。

となれば、失敗しないための防衛策としては、建売は現地をしっかり確認することであり、このように北向きの土地で間取りを任せる場合は、セオリー通りの1階LDKプランと、念のため2階LDKプランも依頼して比べてみる、というのがオススメです。

 

 

2階LDKに関する記事はこちら

関連記事
2階LDKのメリット・デメリットを1階LDKのメリット・デメリットと徹底比較

2階LDKの間取りのメリット・デメリットを1階LDKのメリット・デメリットと徹底比較

続きを見る

 

 

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

スポンサーリンク

-間取り
-, , , , , , , , , , , , ,

© 2021 ラボマドリ