間取り

北向きの敷地でも、陽当たりの悪さをカバーする間取りの作り方

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本記事を読んで欲しい方

  • 北向きの敷地にお住まいの方
  • 陽当たりの悪さを解消したい方

世の中にある土地、建物が全て南向きだったなら、こんな不満はなかったかもしれません。

しかし、現実には北向きの敷地を代々受け継いでいるような方もいらっしゃって、そういった方の多くは、陽当たりについて不満を持っているのです。

「北向きの敷地でも日当たりを確保したい」

そんな願いは儚く消えるしかないものなのでしょうか?

大手住宅メーカーで1,000の間取りをクリエイトしてきた筆者が、住宅のプロとして解説します。

 

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北向きのリビングがある家?

今回は、とある建売住宅を題材にします。

北向きの敷地に建てる家。

敷地面積が大きければ、それなりに陽当たりの良い家をつくることは可能ですが、敷地面積に余裕が無い場合には、陽当たりを諦めるしかないのでしょうか?

結論から言えば、いきなり諦めることはありません。

ただし、代わりに犠牲にしなければならないものも出てきます。

以下、詳しく見てみましょう。

1階
2階

延床面積104㎡(31坪)※いずれも小数点以下切り捨て。

2階建ての4LDKです。

細かい部分はちょっと置いておいて、何よりも気になったのは、図面の向きです。

 

 

 

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通常、方位をキチンと示さない場合には、上が北、下が南、右が東で左が西となります(多少斜めになっていても、大まかにはそうだと思って下さい)。

すると、何だか変な感じがしませんか?

北側にリビングがあり、バルコニーもあり、そして南側には窓がほとんど無いうえに、水廻りが南に集中している…。

そうです。これは南向きの間取りを南北反転して建てているのです。

とは言え、こういった手法が間違っているとは一概には言えません。道路側からは間違いなく採光が望めるからです。

太陽光は南からしか得られない訳ではありません。

勿論、直射日光は南からしか得られませんが、明るさだけを求めるなら、北側からだって取り込むことは可能です。

だとすれば、例えば北側道路の宅地で、他三方向がビルやマンションに囲まれているような立地だとすれば、実質的には北側からしか採光が期待できませんので、今回のような間取りでも間違いとは言えないのです。

しかし、念のためストリートビューで周囲を調べてみたところ、普通の2階建てが建ち並んでいるだけでしたので、なんとなく違和感が拭えません。

あともう一つ考えられるのは、この建物を展示棟として利用しようとしている可能性です。

通常、建物は南側に大きな窓やバルコニーなどを設けるため、水廻りなどの小さめな窓が雑然と並ぶ北側に比べて見栄えが良くなります。

そのため、住宅展示場の建物は、実際の方位に関係なく、南向きの間取りを建築していることがほとんどです。見栄えを重視せざるを得ない住宅展示場としては、正しい方法論なのでしょう。

※様々な向きに建ち並ぶ住宅展示場の例↓

画像引用元: 駒沢公園ハウジングギャラリーホームページより

住宅展示場で、とても大きな窓が設けられたリビングに入ったのに、意外と陽射しが入らない、なんてことを感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは住宅展示場ならではの理由で、リビングが南を向いていない建物だったのだと思われます。

他に良い点、気になる点は以下に列挙します。

⚪︎ 31坪というコンパクトな間取りながら、各部屋の広さはキチンと確保されている

× 洗濯かごなどモノの置けない洗面所

× 全体的に収納不足

 

 

 

前提条件

今回は、1階リビングという条件を変えないことを大前提とします。

すると、外周を変えずに中を弄ったとしても、陽当たりの問題がクリアできないので、外周から変えて陽当たりが少しでも得られるようにしたいと思います。

ただし、敷地面積に余裕がないようなので、❶延床面積は現状より増やさない、❷現状の外周(7,280㎜×7,280㎜の真四角)よりも拡大しないという2点を前提条件とします。

また、4LDKという部屋数は変えないことにします。

 

 

 

数値目標

陽当たりの良さを数値化することは難しいので、収納量の改善を目標にします。

現状では延床面積に対する収納面積の割合は5.9%に留まっていますが、理想的な収納面積は、延床面積に対して15%前後と言われています。

陽当たりの問題を最優先で解決しながら、こちらの数値目標も可能な限り達成していきます。

 

 

 

アナザープラン

そうして生まれたアナザープランがコレです↓

1階
2階

延床面積は91㎡(27坪)と、約4坪縮小しました。

その縮小により、図面でいう左下部分(南側)に空隙を設けてライトコートとしました。

次に1階の変更点を見ていきたいと思います。

見栄えよりも実際の住み心地にこだわり、逆転していた南北の概念は正しく改めました。

❶洗面所、浴室を1階から消し去り、そのスペースをライトコートに変更

❷ライトコートに面したLDK、和室に掃き出し窓を追加し、より明るい居室に

❸玄関の奥行きを45cm程拡張し、シューズクロークも拡張

❹LDKに分散型の収納を追加

❺和室にあった床の間と押し入れを、吊り押入とその下の床板というスペースに変更し、収納量をアップ

❻トイレに手洗いカウンターを追加

続いて2階です。

❶2階トイレはカット

❷バルコニーもカット

❸洗面所、浴室を2階に移動。南側に設けることで、物干し場としても兼用

❹寝室は全てコンパクトに。収納量は3室合計だと少しアップ

2階トイレとバルコニーをカットしたことは賛否あると思いますが、それよりも私は陽光が差し込む明るい家であって欲しいと思い、こういった変更を施してみました。勿論、異論を否定はしません。

また、バルコニーについては、TVのリフォーム番組などで取り上げそうな内容として、特注の簀子状のバルコニーをつけてあげることで、物干しに使えるうえに、簀子の隙間から陽が差し込む…なんてことも提案はできるのですが、めちゃくちゃに費用もかかりますし、何より、いくら簀子とは言え、少なからず陽射しを遮ることは間違いないので、元々の立地のデメリットも考慮すると、何も無いに越したことはないと判断し、バルコニーはカットすることにしました。

※これだけ大きなバルコニーだと、下に支柱などが必要となる

これも異論は否定しませんし、逆に陽射しはある程度諦めても良いと判断するなら、特注バルコニーを設置するという方法も有るのだ、と思ってもらえれば良いと思います。これこそが間取りが持つ可能性というもの。

また、洗面所には、当ブログではお約束となったレイアウトで、洗濯かごなどを置けるスペースを作りました。

 

 

 

まとめ

最後に、数値目標としていた収納面積率15%ですが、先程まとめたアナザープランでは10.8%に留まっています。

これは、延床面積を削って陽当たりを重視する中で、各居室の広さは必要以上に縮小しないようにと考えてみたところ、この程度がベストバランスだと思えたからです。

ただし、やはりこれでは収納が足りないとなれば、更なる収納補填案もあります。

それがコレ↑です。

1階和室を、畳を段差無く敷き詰める通常のやり方ではなく、畳収納ボックス(高床式)をフローリングの上に設置する方法。

※商品イメージ 引用元:Amazon

すると、段差が生まれ、床の間と廊下と和室の出入口はカット、ライトコートへの掃き出し窓は腰高窓に変更と、使い勝手が良いとは決して言えなくなってしまうものの、収納量だけは確保できます(この案だと、収納率18.9%までアップします)。

私は採用しませんでしたが、こちらの案を採用したいという方もいらっしゃるはずです。

普通とはちょっと変わった和室をご希望の方にも良いかもしれません。

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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