間取り

見た目重視のデザイナーズハウス(インナーガレージ付き)を使いやすくリノベーション

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パンチ氏
デザイナーズハウスって、使い勝手も考えてあるんですよね?

普通はな。

ただし、単純に”そういう枕詞をつけておけば売れるだろう”というタチの悪いものもあるから、キャッチコピーに騙されず、自分の感覚で使い勝手を確認するのが大切だ。

キック所長

 

 

 

本記事の内容

  • ガレージハウスのリノベーション案の提案

 

 

デザインする人のことを”デザイナー”と呼びます。

当たり前です。

世の中には自称他称を問わず、大勢のデザイナーが存在します。

しかし、こと建築業界においては、”デザイナーズハウス”という言葉が、「見た目が第一、使い勝手は二の次」という中途半端な建築の免罪符のように使われている節があります。

本記事では、”デザイナーズハウス”と銘打って広告されていた、とあるガレージハウスをサンプルプランとして検証し、より良いリノベーション案を作成してみます。

 

大手住宅メーカーで1,000の間取りをクリエイトしてきた筆者が、住宅のプロとして解説します。

 

 

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リノベーション前のベースプラン

ベースプラン
1階
2階

インナーガレージのある二階建てです。

自称"デザイナーズ系"の3LDK。

延床面積は99㎡(30坪)※いずれも小数点以下切り捨て。ガレージ部分とバルコニーは含んでいません。

 

 

 

良い点、気になる点

まずは1階から見ていきます。

1階

⚪︎ 玄関は、広いうえにシューズクロークも設置されているので、住まいの顔として恥ずかしくない空間になっています。

△ ただ、延床面積からすると、玄関ばかりが広すぎるようにも感じます。

延床面積30坪のうち、約10分の1に当たる3坪弱が玄関のために割かれています。

× インナーガレージのある家というキャッチコピーなのですが、2台駐車できるのは良いとして、ガレージ部分の奥行きが浅いため、軽自動車くらいでないと車体全体が隠れません。

また、完全にオープンな空間なので、防犯性は全く期待できません。

× ガレージ内に、コの字型の空間があります。

タイヤなどを置ける場所なのだと思いますが、扉も何も無いので、防犯性が気になります。

× また、掲載図面が間違っていなければ、北側の洋間とトイレの天井部分が謎の吹き抜けになっています。

何か意図があるのか、単純な間違いなのか…?

続いて2階を見てみましょう。

2階

⚪︎ 1階から階段を上がったフロアから、ほんの数段ですがスキップしたフロアにLDKが設けられており、とてもオシャレな、所謂“デザイナーズ住宅”風に演出されています。

⚪︎ 周囲の環境にもよりますが、2階リビングは陽当りの悪い場所での建築には有利です。

明るいし、周囲の視線も1階ほど気にならないことが多いので、カーテンを開け放って生活できることもあります(そのためにも、事前の周辺環境調査は念入りにやっておく必要があります。建売でも同様です。

購入前に、必ず周囲を確認しておくべきです)。

◯ ダイニングテーブルがキッチンカウンターの延長のように作り付けられています。

これもいかにも“デザイナーズ”な演出です。

× キッチン、リビング、寝室の3室全てがバルコニーに面しており、このセミクローズドな空間も、"オシャレなデザイナーズ系"の匂いがプンプンしますが、なんとこの3室、バルコニーに面した箇所以外に窓がありません。

窓だらけ、よりも三方向を壁に囲まれている中で、1方向だけにある大きな窓から差し込む太陽光が殊更に明るさや開放感を演出するという意図はわかりますが、これは24時間空調で快適な室温をキープしているホテルなどには良いでしょうが、一般住宅では流石にやり過ぎなんじゃないかと思ってしまいます。

特に、風の通り道は意識して作っておかないと、閉塞感が気になると思います。

× 洗濯かごや備品の置き場所が無い洗面所

× 無駄に広い2階トイレと独立した洗面コーナー。

将来、車椅子が必要になった時のため?2階なのに?エレベーターも無いのに?

× 謎の吹き抜け。

ひょっとして、将来エレベーターを設置できるように?LDKがスキップフロアになっているのに?

× これは1、2階共通の問題ですが、収納が少し足りません。

 

 

 

前提条件

今回は、基本的なカタチ(外周)は変えず、それ以外の細かい部分を如何に調整できるかやってみようと思います。

 

 

 

数値目標

収納が少ないです。

ベースプランでは延床面積に対して、収納面積が11.2%と、少し足りない状況です。

これを、なんとか15%に乗せられるよう考えてみたいと思います。

 

 

 

リノベーション後の新プラン

そうしてできたのがこのプランです↓

1階
2階

まずは1階から見ていきます。

変更した部分を以下列挙します。

①ガレージのコの字型の空間に扉をつけました。

 これで防犯性アップを図ります。

②玄関にウォークインではないタイプのシューズクロークを設置し、階段下は3畳強の納戸に変更しました。

③2部屋ある洋間の収納を少しだけ拡大(奥行きのみ)しました。

④玄関ホールは縮小し、玄関側に向けて設置してあった収納の扉を直接見えにくい位置に移動しました。

 単に見た目の問題だけです。

⑤謎の吹き抜けは廃止しました。

 

 

 

続いて2階です。

1階同様、変更点を列挙します。

①トイレ、洗面のスペースを必要最小限に変更しました。

②洋間南側に窓を新設しました。

 外観上は、1階ガレージを支える袖壁と袖壁の隙間と縦のラインを合わせたので、のっぺらぼう感が解消されたはずです(下図参照)。

③洋間のクローゼットを1畳拡大しました。

④リビングのTVなどを設置する壁の両脇に飾り棚のスペースを新設しました。

⑤謎の吹き抜け跡を収納に変更しました。

⑥洗面所のレイアウト変更で、洗濯かごや備品を置けるスペースを確保しました。

⑦キッチン南側に窓を新設しました。

 上記②と同様、外観上のアクセントにもできました。

 ただしこれに関しては単純に好みの問題かも知れません。

 

 

 

まとめ

"デザイナーズ系"を謳う新築建売住宅を、"デザイナーズ系"のイメージは残しつつ、より実用的にリプランニングしてみました。

具体的に数値目標化していた収納面積は、延床面積に対して18.3%まで増やすことができました!

これだけで使いやすくなったと言うつもりは毛頭ありませんが、デザイナーズ系を謳うなら、少しでもキレイに使ってもらえるよう、収納量にもこだわるべきだと思います。

しかし、"デザイナーズ系"って何なんでしょうね?

有名な建築家の手によるものを指すならまだしも、誰が考えたのかわからないようなものまで、"なんちゃってオシャレ"にまとめただけでそう宣伝するのはJAROに刺されたりしないんでしょうか?

とは言え、勿論、今はまだ名前が売れていないというだけの新進気鋭の建築士の方がまとめている場合もあるでしょうから、自称"デザイナーズ系"が全て怪しいと言う訳ではありません。

そもそも本当のオシャレな建築って、雰囲気だけを指すものではないと思います。

白で統一しててオシャレとか、プロヴァンス風でオシャレとか、そんなものは、お金さえ出せば誰でも着ることのできる貸衣装みたいなものでしかありません。

どんなに隠しても隠しきれない気品のように、本当にオシャレな建築って、全てにおいて細かいところまで行き届いたもののことだと思うのです。

え。こんなところまで…という発見が毎日あるような家。

神は細部に宿る、と言いますが、まさにそんな家こそが真のオシャレな家だと思うのです。

自ら"デザイナーズ系"を名乗るようなのは、大抵偽物です。

ジャニーズタレントと自称ジャニーズ系くらいの違いです。

別に、自ら"デザイナーズ系"を名乗る物件を買うな、ということではありません。

そういう言葉を簡単に信じない方が良いというだけです。

物件として他にも魅力があるのなら、買って良いと思いますが、魅力と思われるのが"デザイナーズ系"という枕詞だけなら、一度ちょっと冷静になった方が良いかもしれません。

家は服などと違い、簡単に買い換えることのできないモノですから、一瞬のときめきだけで突っ走ると、とんでもない後悔が待っています。

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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