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日本が誇る経営者、元任天堂社長『岩田さん』が教えてくれたこと

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パンチ氏

最近、仕事上の人間関係でいろいろあって…

何か参考になる本はありませんか?

それならこの本をオススメする。

人間関係だけでなく、仕事上でも刺さる言葉に出会えるはずだ。

キック所長

本記事の内容

  1. 元任天堂社長だった岩田 聡さんという方の経歴がわかる
  2. 元任天堂社長だった岩田 聡さんという方の哲学がわかる
  3. 「岩田さん」という著書のことがわかる

「管理人のプロフィール」にも書きましたが、私はAppleの大ファンです。信者と言っても良い。

そしてもう一社、大ファンのブランドがあります。それは任天堂。

両社の製品のファンであることは勿論ですが、もう一つの共通点として、尊敬する経営者がいた、ということを挙げておきます。

スティーブ・ジョブズ氏と岩田聡さん。

お二人共既に亡くなられてしまいましたが、世界を変えた偉大な経営者でした。

ジョブズ氏に関しては既に語り尽くされている感がありますが、岩田さんに関しては、まだまだ知る人ぞ知る、という感じではないでしょうか。

昨夏、ほぼ日刊イトイ新聞から刊行された岩田聡さんに関する本「岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。」を遅れ馳せながら読了したのですが、なかなか考えさせられる内容だったので、番外編としてご紹介したいと思います。

なお、本文中ではこの本に倣って「岩田さん」と呼称させていただきます。

知り合いでもないのに馴れ馴れしいようで恐縮ですが、ご理解ください。

1. 岩田聡さんについて

1959年12月6日に北海道札幌市で生まれた岩田聡さんは、大学卒業後に入社したHAL研究所で33歳にして代表取締役に就任。

当時、15億円もの負債を抱えていたHAL研究所を僅か6年で立て直したその手腕を買われ、2000年には任天堂に入社。

その2年後、42歳という若さで、しかもそれまで同族経営だった任天堂の代表取締役にまさかの大抜擢。

2015年7月11日に55歳(!)で亡くなられるまで、第一線で大活躍されました。

唐突に余談ですが、HAL研究所といえば、私の一番の思い出は"ジョイボール"です。

写真引用元: Wikipedia

"スターフォース"など連射シューティングが大人気の頃、世界初の秒間15発の連射機能を引っ提げて登場したコントローラーです。

高橋名人の16連射には僅かに及ばないものの、スターフォースの"ラリオス(1秒間に8発撃ち込むとボーナスがもらえる敵)"くらいなら余裕で倒せる性能は、当時のゲームキッズ達の羨望の的。

しかし、独特の外観と、何より操作性に問題(あのボール部分を、ついグワシと掴んでしまうと、細かい操作が一切できない)があり、連射シューティング以外では全く使えず、すぐに消えてしまいました。

話を戻します。

岩田さんは、ファミコンソフトの「ゴルフ」「ピンボール」「バルーンファイト」などを手掛けた天才プログラマーでもありました。

「ゴルフ」では、"ボタンを1回押すとバックスイングを開始し、2回目にボタンを押すタイミングでショットの強さを決定し、ボールを打つ瞬間、3回目にボタンを押すタイミングで球の曲がり具合を変えることができる「ボタンを3回押してショットする」という今のゴルフゲームの基礎とも言うべきシステム"を開発され、「バルーンファイト」では、アーケード版よりも自然な挙動を作ってみせた等、数々の伝説を作った方です。

さらにスーパーファミコンでは、開発に4年もかけた上に暗礁に乗り上げていたRPG「Mother2 ギーグの逆襲」を「今あるものを活かしながら手直しする方法だと2年かかります。イチから作り直して良ければ半年でやります」と宣言し、その言葉通り、半年で大枠を完成させたというのは、ゲームファンには有名な逸話(ただし、さらにブラッシュアップするのに半年かけたので、発売に漕ぎ着けたのは宣言から1年後のこと)。

また、2000年代に入ると、"ゲーム人口を増やす"ことを目標に掲げた任天堂が、プレイステーションなど競合機種とのパワーインフレ合戦に見切りをつけ、異色のハード「ニンテンドーDS」「Wii」で世界を席巻しましたが、これも岩田さんの時代を象徴する出来事でした。

また、2011年からは、岩田さんが消費者に「直接」新作ゲームのプレゼンをするNintendo Directを開始。

「直接!」というお約束のポーズが印象的だったNintendo Directでしたが、任天堂ほどの大企業の社長が、新型ハードの発表ではなく、新作ゲームの情報を発信するためだけに、自ら最前線に立つということに、当時は「何故?」と疑問でした。

ただでさえ多忙な方が、プレゼンのために準備をするわけです。

カンペを読んで終わり、なんてことは無かったでしょう。

任天堂ともなれば、そういったプロモーション活動を任せられる人は、当然、他にもいらっしゃるでしょうに…。

最初は目立ちたいだけなのか?とも思いました。

しかしそれも、本書を読んで、何となく腑に落ちた気がします。

後にニンテンドースイッチで、岩田さんの命日である7月11日に日付をセットして、この岩田さんの「直接」のモーションをすると、岩田さんが作られたファミコンの「ゴルフ」をプレイできるようになるという隠しコマンドが発見され、話題になりました。

なんとも素敵なエピソード。本当に愛されていた経営者だったんだなぁと実感します。

本書を読んでいても、人と人との関わりを大切にしていた方だったんだな、と感じました。

そして、そんな岩田さんの言葉には、業界も職種も問わず通用しそうな、普遍的な仕事の流儀とでも言うべきものが散りばめられています。

ここでは、私が特に感銘を受けた2点についてご紹介したいと思います。

2. 相手に責任を押し付けない

先述した通り、岩田さんは凄腕のプログラマーでした。

その岩田さんはプログラムについて、下記のようにお話されています。

プログラムというのは、純然たる、純粋なロジックなので、そこに矛盾がひとつでもあったら、そのシステムはちゃんと動かないんですね。

機械の中で間違いは起こらないんですよ。間違いは全部、機械の外にある。だから、システムが動かないとしたら、それは明らかに自分のせいなんです。

引用元: 岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。

そうして岩田さんは、人と人とのコミュニケーションにおいても、このプログラムの考え方を徹底していて、相手に自分の言いたいことが伝わらない時には、自分がその相手にとってベストな伝え方をしていなかったからだ、とお考えだったそうです。

つまり…

絶対に相手のせいにはしない。

ということ。

コレは、私も以前から心がけたいと思っていながら、中々身に付かない思考なので、余計につき刺さりました。

こういう考え方というのは、自分が全部抱え込むようで、一見しんどく見えるんですが、よく考えてみると、実はこっちの方がラクだったりします。

というのも、例えば何か問題が起こった際、自分はノーミスで自分以外の誰かが100%悪いと考えてしまう方が、また同様の失敗が繰り返される可能性が高いからです。

ノーミスだと思っている限り、自らの言動について見直すということはしませんよね。

ということは、自主的に再発を防止する策を講じない、ということです。

これが一つ目の理由。

さらに、その同じ誰かと、また同じことをする可能性がゼロで無い以上、その同じ誰かが次回までに反省して変わっていてくれない限り、リスクは前回と変わらない、というのが二つ目の理由です。

そして、この二つ目の理由は、自分ではどうにもならないことです。

自分でない誰かを変えることの難しさは誰もが痛感していることだと思います。

特に、習慣化しているようなことを変えるには相当な労力と、強い意志が必要です。

そもそも、一度失敗した後、反省をして、自らの行動の修正をしようと考える方がカンタンではないですか?

自分でない誰かが反省をして自らの行動を修正してくれる、なんて未来はカンタンには実現しません。

つまり、同じ失敗を繰り返さないためには、他人に期待をするよりも、自分を変えようと努力する方が効果は期待できるということです。

この手の話は、昔から良く言われていることですが、単なる精神論で言われるのと、岩田さんのようにプログラムという具体例を示されるのでは説得力がまるで違います。

身のまわりで起こることの大半が、プログラムのように入力した結果しか出力されていないのだとしたら、それは言い換えれば、欲しい結果があるのなら、それが得られるまで、入力内容を見直し続ければ良いということです。

合理的なだけでなく、なんだか救いがあるような気がしませんか?

また、一言にプログラムと言っても、HTMLやJava、Rubyなど、様々なプログラム言語があるわけで、それを対人関係に置き換えれば、一つの伝え方だけで全ての人に理解してもらえる、なんて思わない方が良いということなんでしょう。

つまりモノには言い方があり、それは相手によっても変わる(変えなければならない)というです。

3. 問題の本質を探る

あらゆることがそうですけど、仕事って、かならず「ボトルネック」といわれるいちばん狭い場所ができてしまって、そこが全体を決めちゃうんですよね。逆に、全体をどうにかしたかったら、ボトルネックがどこなのかを見つけて、まずそこを直さないといけません。ボトルネックより太いところをいくら直したとしても、全体はちっとも変わらないんです。

引用元: 岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。

ところが、人は、とにかく手を動かしていた方が安心するので、ボトルネックの部分を見つける前に、目の前のことに取り組んで汗をかいてしまいがちです。

引用元: 岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。

仕事をしていると、どんな組織であれ、大なり小なり問題が起こるはずです。

そこには当然、何かしらの原因があるはずなのですが、その原因を明確にしないまま、目先の作業に流されて、それで良しとしている。

思い当たる節がありまくりで恥ずかしくなりました…。

本来は、行き詰まりを感じている時ほど、その問題の本質を見つけることが求められるはず。

しかし、私などは忙しいとか時間が無いとか、そういった最低の言い訳を胸に、目を逸らしながら日々過ごしてきたわけです。なんともお恥ずかしいお話ですが。

しかし、この問題の本質を見極めるというのは、そこにかかる労力は、目先の作業をこなすことの何十倍も必要なはずですが、そこを見つけることができれば、同時に、他の問題のいくつかも解決してしまうかもしれません。

それは、宮本茂さんの考える"アイディア"にも通ずるもののような気がします。

「アイディアというのは、複数の問題を一気に解決するものである」

これは、ゲームをつくってるときに、任天堂の宮本茂さんが言ったことで、宮本さんはゲームをつくるときのひとつの方法論としておっしゃってたんですけど、わたしは、ゲームづくりに限らず万能な考え方だと思うんですよね。

引用元: 岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。

なるほど、と思いました。

先述した目先の作業というのは、いわゆる"対症療法"でしかないんですよね。

もぐら叩きのように、出てくる問題を淡々と片付けるだけ。でも原因がわからないから、いつまでも同じことが繰り返されてしまうという悪循環。

目の前に飛び出してくるもぐら(問題)を放置する訳にはいきませんが、それに対処しながらも、アタマは原因究明のために働かせ続けなければならない、ということなんでしょう。

つまり、"ボトルネックを見つける"というのは、"根治療法を見つける"ことと、きっと同じ。

とは言え、言葉で言うほど簡単なことではありませんから、まずは"相手に責任を押し付けない"というスタンスで、問題から逃げず、真正面から向き合うという意識を持って仕事に臨むところから始めるしかないんだとは思います。

4. まとめ

最後にもう一つ、本書から。

仕事はやっぱりたいへんだし、嫌なことはいっぱいあります。きっと、我慢もしなきゃいけません。ですけど、その人にとって「仕事がおもしろいかどうか」というのは、「自分がなにをたのしめるか」という枠の広さによってすごく左右されると思うんです。

考えようによっては、仕事って、おもしろくないことだらけなんですけど、おもしろさを見つけることのおもしろさに目覚めると、ほとんどなんでもおもしろいんです。

引用元: 岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。

こんなことは、きっと誰しもわかっているはずなんです。

でも、忘れがちなことですよね。

いつもこの手の話を聞く度に、結局、当たり前のことを当たり前にできる人だけが凄いところに辿り着けるんだなあと実感します。

ところでこの本は、おそらく任天堂という会社やゲーム業界に関心が無い方の目には触れにくいんではないかと思われます。

しかし、それではあまりにも勿体ない。

ただの偉人伝ではなく、きっと会社組織に所属した人なら誰もが何かしら引っかかる言葉に巡り合える、一流のビジネス書でもあります。

しかも、岩田さんご本人が執筆したビジネス書ではなく、ご本人が生前遺された言の葉の数々を、深く関わりのあった方々が編纂されたというのですから、世の中に数多ある、「俺のビジネス論、すげーだろ。どや(キリッ)」と言ったビジネス書とは一線を画すもののような気がします。

今、仕事に悩んでいる方は勿論、困ったちゃんの上司に、しれっと紹介してあげても良いかもしれません。

日本の経営者というと、すぐに松下幸之助氏などが思い浮かぶと思うのですが、そういった強烈なカリスマではないにせよ、岩田聡さんという、こんなにも素晴らしい経営者がいらっしゃったということを、この本は独特の雰囲気で、ほんのりと伝えてくれるのです。

仕事に悩む全ての方だけでなく、「大人も子供も、おねーさんも(糸井重里さんが書かれた"Mother2"のコピーより引用)」読んで頂きたい一冊です。

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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