自宅で陶芸を楽しむ、アトリエのある住まいに平屋をリノベーション

本記事の内容

  • アトリエスペースのある平屋建住宅のリノベーションの提案

リタイヤ後は、自宅でのんびり趣味を楽しみたい。そんな生活に憧れる方は多いはず。

陶芸に限らず、生花でも絵画でも何でも良いと思います。

住宅業界に20年、1,000の間取りをクリエイトしてきた筆者が、住宅のプロとして、サンプルプランを基に解説します。

 

目次

今回の提案

『アトリエのある住まい』

創作活動は静かに自分と向き合う無になれる時間。

瞑想が流行っていますが、それと同じくらい貴重な時間になることと思います。

子育ても一段落して、夫婦だけの生活になるからこそ、だらだらと余生を消費するのではなく、今までの人生経験が滲み出すような創作活動を楽しんでみてはいかがでしょうか?

今回はそんなリノベーションをご提案します。

リノベーション前のベースプラン

間取りと広さ

3LDKの平屋建住宅で、延べ床面積は63.14㎡(19.10坪)。

 

 

 

ベースプランの特徴

まずは間取図から読み取れる、ベースプランの特徴を図面上に書き込んでみます。

以下、もう少し詳細に解説してみます。

 

 

 

ベースプランのメリット

極限まで無駄を削ぎ落としたプランで、廊下はほとんど無く、床面積のほとんどを居室面積に極振りされているため、建物の坪数からは想像できないほど居室が広いことはメリットと言えるかもしれません。

 

 

 

ベースプランのデメリット

まずは玄関から。

カウンタータイプの下駄箱に収納力の不安を感じます。

そして玄関ホールに洗面化粧台。

新築当時は、お出かけ前に身だしなみの確認ができるとでも営業されてしまったのでしょうか。

そして、洗濯機置き場兼脱衣室が0.75畳しかない上に、隣はトイレですので、果たしてまともにドアが開くのかさえ不安な間取りです。

当然、洗面所に置きたい洗濯かごやタオルなどの常備品をおくスペースは皆無。

また、LDK以外に3室もあるのに、収納は和室にある2畳分の押し入れだけという収納不足。

理想的な収納率と言われる延べ床面積の15%前後という数値には遠く及ばない6.22%

せめて現状の倍くらいは欲しいものです。

 

 

 

理想の収納量はこちら

あわせて読みたい
理想の”収納率”とは?住まいに必要な収納量の目安をプロが解説! 収納不足で悩まないために。理想的な収納量についての解説記事。

 

 

リノベーション後の新プラン

下書き

先述した不満点の解消と、依頼人の要望を叶えるべく、まずはアウトラインをざっくりと描いてみます。

今回のリノベーションのポイントは以下の通り。

リノベーションのポイント

  • 玄関収納の収納量増加
  • ワークスペースの確保
  • 収納率のアップ
  • 洗面化粧台の位置移動
  • トイレの位置移動
  • 洗面所に洗濯かごやタオルなどを置けるスペースを確保
  • 夫婦だけで暮らしやすい間取り

完成図

そうしてリプランニングした図面がこちらです↓

Before & After

リプランニング前後で比較してみましょう。

リプランニングのポイント

リプランニングのポイントを書き込んでみます。

玄関収納はカウンタータイプからシューズクロークに変更。

玄関廻り、水廻りはかなり変更しています。

まずはトイレを移動して独立させました。

そしてトイレが元々あった場所は洗面所のスペースとして拡大し、玄関ホールに設置されていた洗面化粧台を洗面所に移設しました。

その際、洗濯機の前に洗濯かごやタオル類などをしまえる収納家具を置ける場所を設けました。

ポイントは、洗面所の入り口の位置です。

これが洗濯機の前だと、こういったスペースは通路となってしまい、物が置けなくなってしまいます。

適度な行き止まりを設けることは、物を置くためのスペースの創出につながる場合がありますので、どこもかしこも出入口にして移動効率を上げようといった考え方は、逆に無駄な通路を生み出すことにもなりますので注意が必要です。

玄関脇の洋室は、収納のある洋室へと改め、趣味のワークスペースとしました。

それ以外では、寝室にウォークインクローゼットを設け、少しいびつだったLDKは南側に移動し、適材適所の収納を設けました。

部屋自体はシンプルにまとめることで、趣味で焼いた陶芸作品などを飾るスペースを設けても良いと思いますし、無駄な装飾が無い分、そういった作品が映えると思います。

その結果、収納率は6.22%から13.77%にまで大きく増加しました。

 

 

まとめ

私の父は仕事を引退後、暇を持て余し、それまで母がやっていた家事をやるようになりました。

ほぼ無趣味だったため、自分で何か積極的にやりたいことは未だに見つけられていないようです。

代わりに家事の時間が浮いた母は、急に太極拳を始めたり、折り紙を習い始めました。

太極拳は健康維持ですが、折り紙は本当にクリエイティブなものだなと見ていて感じます。

今回ご紹介した陶芸も、趣味としてやってみたいという方は多いように思いますが、何しろ釜で焼くという作業もあり、ハードルが高そうなイメージがありますよね。

しかし釜といっても、電気釜が市販されていますので、実は家庭でも充分にできるものなのです。

これから本格的に陶芸を始めてみたいという方には、こんなにコンパクトで価格的にお安いものもあります↓

これなら練習用に最適ではないでしょうか?

今回のリノベーション案が、自宅でも趣味を満喫したいという方のご参考になれば幸いです。

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

住宅メーカー勤務。不動産で「絶対に失敗したくない」人に向けた情報を発信/ 所有資格: 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・管理業務主任者他
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